博士課程学生で民間企業に就職したいなら研究テーマを再検討すべし

自分の就活がだいたい終わったので、思ったことを少し書き残しておこうと思う。 まず前提として、私が工学部電気電子情報系の博士課程学生であることを伝えておこう。 これから話す内容は、別の分野ではまったくお門違いかもしれないことを申し添えておく。

 

さて、博士課程に進学するとたいてい民間企業への就職は遠のく。

これには賛否両論あるが、研究内容の専門性『しか』アピールできない人材はやっぱり企業も取りたがらないよなぁ、とは思う。

実際、周りの博士卒を見ていても、

  • 問題・課題を掘り下げられる人
  • 研究目的を目標(達成したかどうか客観的に評価できる)に落とし込める人
  • データと誠実に向き合って検討できる人
  • それらを論理立ててしっかりとプレゼンができる人

というのは、専門の違う業界に飛び込んでも成功しているように見える。

とはいえ、博士課程で取り組むテーマは就活をする上ではかなり重要なファクターであることに変わりはない。技術職を志望する場合、面接で我々学生を評価するのは企業の研究者もしくはエンジニアである。彼らにとって我々の研究テーマは(企業と共同研究をするような界隈でない場合は特に)「金にならないこと」の最前線をいくものである。

そうすると、面接官はどういう観点で我々に相対するかというと、

「金にならないことを研究しているこの学生は、我が社に入ってからちゃんと利益を生み出せるのか」

この一点に尽きるはずである。 従って、自分の研究テーマ・研究スキルと志望企業の業務がどうリンクするのかを、我々は面接官にアピールしなければならない。この時、あまりに研究テーマが悪いと「風が吹けば桶屋が儲かる」のごとく、非常に整合性のない筋立てになってしまい、一気に胡散臭くなる。ゆえに、研究テーマは重要である。

この春、博士課程に進学した後輩諸氏におかれては、修士課程と同じテーマを惰性で(あるいはボスのいいなりで)続けるのではなく、ぜひ一度見直すことをオススメする。 特に、就活に失敗したからD進した〜という方々は、D進が必ずしも就活にプラスに働くとは限らないことを意識してほしい。

むしろ企業からは「修士卒のベースライン+3年分の知識とスキル+”自社の人材育成では育たない何か”」を求められるので、修士卒以上に厳しい目で評価される。それをよく踏まえて、研究テーマを再検討し、自分の就活に役立ててもらえたらと思う。

博士課程学生諸氏のなかには、民間企業ではなく大学・公的研究機関での求職を希望する人もいると思う。 私も当初はそちらを志望していた。 いくつかの機関・部署から内々に声をかけてもらったりもしていたが、私は民間企業への就職を選んだ。

理由は2つ。一つは単純に経済的な安定性で、テニュアがついたとしても、5年やそこらでクビになるリスクは排除したかった。 私の場合はかじれる親のスネもなかったので。 2つ目の理由は、研究環境としてアカデミアが本当に良いのか確信が持てなくなったからだ。 予算削減、非効率的な事務ルール、雑用に次ぐ雑用。 本当にそんなんで良い研究ができるのか、と。

それでもいい、と即答できる人にはぜひ挑戦していってほしい。